デザインにおける錯視の基本: 視覚的な魔法の背後にある原理

2023.09.10

デザイン全般
デザインにおける錯視の基本: 視覚的な魔法の背後にある原理

北海道旭川市のデザイン会社、ドリームクリエイトです。

デザインは、私たちの日常生活において目にするあらゆるものに深い影響を与えます。中には、視覚的なトリックも存在します。それが、デザインにおける「錯視」です。

錯視は、視覚的な効果を利用して、静止画やデザインを動的に見せたり、平面的なものを立体的に見せたりする方法です。この記事では、デザインにおける錯視の基本や背後にある原理を少しご紹介します。


 

錯視について考えてみる

デザインの世界では、「錯視」がいろんなところに隠されています。

・錯視とは何か?

錯視は、我々の視覚が情報を処理する際に生じる誤った知覚や錯誤です。これは、視覚情報が脳によって解釈される際に、予期しない結果を生み出すことがあります。錯視は、通常の視覚体験を裏切り、視覚的な不思議を提供します。

・なぜ錯視がデザインに重要なのか?

  • 視覚的な引き込み : 錯視は視覚的な魅力を高め、デザインを引き込む要素として機能します。視覚的に興味深く、魅力的なデザインは、見る人を引き付け、興味を持たせます。
  • メッセージの伝達 : 錯視は情報伝達において効果的な手段となります。特定のメッセージやアイデアを視覚的に際立たせ、覚えやすくするために利用できます。
  • 記憶に残るデザイン : 視覚的な驚きや錯視は、見た人の記憶に残りやすく、ブランドや製品を強調するのに役立ちます。

 

基本的な錯視の種類

デザインにおける錯視は多岐にわたり、さまざまな種類が存在します。ここでは、基本的な錯視の種類に焦点を当て、それぞれの特徴や見た目の効果をご紹介します。

1 ムラーチの錯視 : 円環が動くように見える錯視

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ムラーチの錯視は、円環が回転しているように見える視覚的な効果です。この錯視は、1965年にハンガリーの心理学者ゲザ・ムラーチによって発見されました。静止しているはずの円環が、見る者にはゆっくりと回転しているように見えます。円環内部のパターンは変わらず、視覚的に安定しているにもかかわらず、錯視は持続します。視線を動かしても、回転効果は継続します。

ムラーチの錯視の背後には、視覚システムの特性と錯覚の原理が組み合わさっていますが、この錯視が生じる原因はまだ完全には解明されていません

2 カフェウォール錯視 : タイルのパターンが歪んで見える錯視

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カフェウォール錯視は、タイル状のパターンが歪んで見える錯視です。この現象は、タイルの間の平行な線が波状に見え、通常の平行性が歪められているように錯視されます。

カフェウォール錯視の背後にある原理は、視覚的なコントラストと視覚的な偏差に関連しています。具体的には、以下の要因が影響を与えていると考えられています。

  1. コントラストの影響 : 黒い四角形と白い四角形の強いコントラストが、歪みを強調し、波のような効果を生じることがあります。
  2. バイアス効果 : 目に近い位置にあるタイルは、目の遠くにあるタイルよりも大きく見え、この視覚的なバイアスが歪みを強調する原因となります。
  3. 視覚的な相互作用 : タイルのパターンが交互に配置されることにより、隣接するタイルが互いに影響を与え、歪みを強調する視覚的な相互作用が生じます。

 

3 エッシャーの階段 : 無限に上り続けるように見える錯視

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エッシャーの階段は、オランダのグラフィックアーティストであるM.C.エッシャーによって描かれた作品で、無限に上り続けるように見える錯視です。この錯視は、視覚的な不可能性を表現し、視覚芸術の代表的な作品の一つとされています。

エッシャーの階段は、上り階段と下り階段が連続し、永遠に続くかのように見える構造を持っています。階段の手すりや壁などの要素も、無限に続く錯視を強調します。

エッシャーの階段は、視覚的な不可能性を表現するために錯視の原理を利用しています。主な要因として以下の点が挙げられます。

  1. 不可能図形 : 階段の構造は実際には不可能な形状であり、視覚的に解釈されると矛盾を含むことから、視覚的な錯視として認識されます。
  2. 視覚的な誤解 : 階段の手すりや壁が実際には不可能な配置になっているため、視覚的な誤解が生じ、階段が無限に続くように錯視されます。
  3. 透視法の巧妙な利用 : エッシャーは透視法を巧みに利用して、階段が立体的に見えるようにデザインしました。これにより、無限に続くような印象が生まれます。

エッシャーの階段は、デザインや視覚芸術における視覚的な錯視の傑作として高く評価されており、視覚的な不可能性を表現する魅力的な例です。このような作品はデザインの世界でインスピレーションを提供し、視覚的な創造性を駆り立てる役割を果たします。


 

人間の脳はだまされやすい

例を見てきたように、本来動いていないものが動いて見えてしまったり、平行になっているものが歪んで見えたり、均等なバランスなのにアンバランスに見えてしまったりと、人間の脳は視覚的にだまされやすいものなのです。デザインの世界では、この原理を知った上で調整をしたり、効果的に使ったりします。

文字の大きさ

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この「Z」と「8」ですが、どちらも上の方が大きく見えます。これは「上方距離過大の錯視」です。人間の目に均等に見えるようにするためには、下の部分を大きく修正する必要があります。

また、このZと8はどちらも同じ幅・高さですが、8のほうが小さく見えてしまいます。デザインの場面で意図せず曲がってしまったり、大きさが誤って伝わってしまったりでは困りますので、こういった現象があるということを理解して置く必要があります。

立体的に見せる

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ホームページを始めとして様々な場面で見る「ボタン」も、影があるだけで立体的に浮き上がっているように見えますが、もちろん浮いているわけではなく脳の錯覚です。四角い形が立体的に見えるのも、コントラストや影の影響です。

見えないものを見せる

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本来、そこに描かれていないのに描かれているように見せる手法もたくさん存在します。

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いかがでしたか?

デザインにおける錯視は、視覚的な魅力を高めると同時に、意図しない伝わり方をしてしまう恐ろしさも持っています。デザインで錯視を知ることは、とても重要なのです。

脳はだまされやすい、ということを念頭に入れて置く必要があります。

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2段目から下の段はちょっと混乱しませんか?違和感を感じたり、すらすらと読むことができない人もいるかもしれません。

デザインって奥が深いですね。