反応が取れる会社のSNS運用とは?共通点と仕組みの整え方
2025.06.09
SNS運用
はじめに:SNSは「毎日投稿」だけじゃダメ?
「毎日欠かさず投稿しているのに、いいねが10個も付かない…」「フォロワーは増えないし、お客様からの反応も薄い」そんな声を、私たちドリームクリエイトにも多く寄せられます。特に旭川をはじめとした地方の中小企業や店舗では、InstagramやX(旧Twitter)の運用に力を入れているのに、なかなか思うような結果が出ないと悩んでいる経営者様が本当に多いのが現状です。
でも実は、SNSで結果が出ない原因は「投稿頻度」や「写真の質」だけではありません。根本的な問題は、投稿を届けるための”仕組み”ができていないことなのです。
逆に言えば、SNSで着実に成果を上げている会社には、必ず共通した特徴があります。それは決して特別なテクニックや高額なツールを使っているわけではなく、基本的な「設計」と「戦略」がしっかりしているということです。
今回の記事では、実際に成果を出している企業の事例を交えながら、反応が取れるSNS運用の共通点と、明日から実践できる仕組みの整え方について詳しく解説していきます。特に地方企業でも無理なく続けられる現実的な方法をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
「反応が取れている会社」の3つの共通点
私たちがこれまでサポートしてきた企業様の中で、SNSで確実に成果を上げている会社には、驚くほど共通した特徴があります。それが次の3つのポイントです。
①目的が明確(集客?採用?ブランディング?)
まず最も重要なのが、なぜSNSを運用するのかという目的の明確化です。多くの企業が「とりあえずやった方がいいから」という曖昧な理由でスタートしてしまい、結果的に投稿内容がバラバラになってしまいます。成果を出している企業は、必ず明確な目的を持っています。例えば、
- 集客が目的:サービスの魅力や利用シーンを具体的に伝える投稿が中心
- 採用が目的:実際に働くスタッフの様子や会社の雰囲気を伝える投稿に特化
- ブランディングが目的:企業の価値観や専門性を示すコンテンツを重視
目的が明確だと、自然と投稿内容に一貫性が生まれ、ターゲットとなるユーザーにとって「このアカウントをフォローする価値」が明確になります。
②ターゲットがはっきりしている
二つ目の共通点は、誰に向けて発信しているかが明確になっていることです。「できるだけ多くの人に見てもらいたい」という気持ちは分かりますが、実際には特定のターゲットに響く投稿の方が、結果的に多くの人に刺さります。成功している企業は、以下のような点まで細かく設定しています:
- ターゲットの年齢層、性別、職業
- どんな悩みや課題を持っているか
- どんな情報を求めているか
- SNSを見る時間帯や曜日
- 好む投稿スタイル(写真重視?テキスト重視?)
この設定により、投稿する内容、使う言葉遣い、写真の撮り方、さらにはハッシュタグの選び方まで最適化できるようになります。
③「中の人」が”見える”
三つ目の共通点は、企業アカウントでありながら「人」が見える投稿をしていることです。フォロワーは、完璧な企業イメージよりも、実際にそこで働く人々の人間味あふれる投稿により強く反応します。具体的には、
- スタッフの紹介や日常の様子
- 商品・サービス開発の裏側ストーリー
- 失敗談や試行錯誤の過程
- 季節の挨拶や地域イベントへの参加報告
こうした「人間らしさ」が見える投稿は、いいねやコメントを生みやすく、結果的にアルゴリズム上でも有利に働きます。
SNSで「反応が取れない」よくある原因
一方で、なかなか反応が取れない企業アカウントには、共通したNG パターンがあります。これらを改善するだけでも、反応率は大幅に向上します。
①投稿が”自分たち目線”になっている
最も多い失敗パターンが、企業側の伝えたいことばかりを投稿してしまうことです。商品の特徴や会社の実績は確かに大切ですが、それだけではユーザーの心は動きません。
重要なのは「ユーザーにとってのメリット」を明確に伝えることです。商品紹介をする場合も、単に機能を列挙するのではなく、「この商品を使うことで、どんな問題が解決され、どんな良い変化があるのか」を具体的に示すことが必要です。
商品紹介ばかりで、読者のベネフィットが薄い
「この商品がおすすめです!」「新サービスが始まりました!」といった宣伝色の強い投稿ばかりでは、ユーザーは興味を失ってしまいます。成果を出している企業は、商品紹介と価値提供のバランスを8:2や7:3程度で調整しています。つまり、宣伝的な投稿よりも、ユーザーにとって有益な情報(ノウハウ、豆知識、業界情報など)を多く投稿することで、フォロワーとの信頼関係を築いています。
②毎回の投稿に一貫性がなく、「誰のためのアカウントか」が不明
今日は商品紹介、明日はスタッフの日常、明後日は業界ニュース…といったように、毎回テーマがバラバラだと、ユーザーは「このアカウントをフォローすることで何が得られるのか」を理解できません。以下のような改善ポイントを意識することで、一貫性のある魅力的な投稿に変えることができます。
よくあるNG投稿 | 改善ポイント |
---|---|
商品写真+値段のみ | 使い方や選び方、背景ストーリーを加える |
毎回ジャンルが違う | テーマ別で曜日投稿などに整理する |
ハッシュタグが曖昧 | 地域・業種・ニーズを意識して最適化 |
③企業アカウントが「反応される」投稿設計の仕方
反応が取れるSNS運用のカギは、「投稿設計」にあります。毎回「今日は何を投稿しよう?」と悩むのではなく、あらかじめパターンを決めておくことで、投稿作業が楽になるだけでなく、フォロワーにとっても価値のあるアカウントになります。
■投稿パターンの設計例(週5運用の場合)
曜日 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
月曜 | お客様の声・事例 | 信頼獲得・実績共有 |
火曜 | 裏側紹介・スタッフ紹介 | 親近感・採用強化 |
水曜 | ノウハウや豆知識 | 専門性アピール・価値提供 |
木曜 | 商品・サービス紹介 | 売上導線 |
金曜 | ちょっとゆるめ投稿(季節ネタ) | エンゲージメント・フォロー促進 |
このように曜日ごとにテーマを決めることで、以下のメリットが生まれます。
■運用側のメリット
- 投稿ネタに悩む時間が大幅短縮
- 撮影や準備を計画的に進められる
- 複数人で運用する場合の役割分担が明確になる
■フォロワー側のメリット
- 何曜日に何の情報が得られるかが分かりやすい
- 継続的にフォローする価値を感じられる
- アカウントの専門性や信頼性を実感できる
■「投稿設計表(カレンダー)」の作成と活用
さらに効果的なのが、月単位での投稿カレンダーを作成することです。これにより、季節イベントやキャンペーン、業界の動向などを織り込んだより戦略的な投稿が可能になります。投稿カレンダーには以下の項目を含めることをおすすめします。
- 投稿日時
- 投稿テーマ(前述の曜日別パターン)
- 具体的な内容案
- 使用予定のハッシュタグ
- 撮影や素材準備の担当者
このカレンダーがあることで、社内での情報共有もスムーズになり、「今月のSNS投稿の方向性」を全員が理解できるようになります。
実際に成果が出た企業の事例
ここで、私たちがサポートさせていただいた企業様の実際の成功事例をご紹介します。どちらも地方の中小企業様で、特別な予算をかけずに着実な成果を上げられた例です。
事例1:建設会社(旭川市内)
■Before→施工写真を淡々と投稿
- フォロワー数:200人台で頭打ち
- エンゲージメント率:1%台
- 採用への効果:なし
当初は完成した建物の写真を「○○様邸完成しました」というコメントと共に投稿するだけでした。写真の品質は悪くないものの、どこか無機質で、見る人の心を動かす要素が不足していました。
■After→「現場のスタッフ紹介」+「完成後の暮らし風景」
- フォロワー数:半年で900人超
- エンゲージメント率:5%以上
- 採用応募数:2.5倍に増加
改善のポイントは以下の通りです。
- スタッフにフォーカス:建物だけでなく、実際に施工するスタッフの真剣な表情や作業風景を投稿
- 暮らしのストーリー:完成した住宅で実際に生活している様子や、お客様の喜びの声をストーリー仕立てで紹介
- プロセスの共有:着工から完成までの過程を定期的に投稿し、フォロワーが建設プロジェクトを追体験できるように工夫
結果として、「こんな会社で働いてみたい」と感じる求職者からの応募が大幅に増加しました。
事例2:飲食店(道内郊外)
■Before→メニュー紹介ばかり
- コメント数:月に数件程度
- リピーター率:低迷
- 地域での認知度:限定的
メニューの写真と価格、営業時間の告知が中心で、お店の個性や魅力が伝わりにくい状況でした。
■After→「日常風景」+「食材のストーリー」+「フォロワー参加型アンケート」
- コメント率:3倍に向上
- リピーター率:大幅アップ
- 地域イベントでの注目度:向上
改善した投稿内容は以下の通りです。
- 日常風景の共有:朝の仕込み風景、常連さんとの何気ない会話、店主の人柄が伝わるエピソード
- 食材へのこだわり:地元農家から仕入れる野菜の紹介、季節ごとの食材選びの基準、調理法へのこだわり
- 参加型コンテンツ:「今度のメニューはAとBどちらがいい?」といったアンケートで、フォロワーを巻き込む
これらの変更により、お店への愛着を感じるフォロワーが増え、実際の来店にもつながる好循環が生まれました。
SNSは”戦略”と”仕組み化”がカギ
これらの成功事例から分かる通り、効果的なSNS運用は決して「感覚」や「なんとなく」で行うものではありません。明確な戦略と、それを継続的に実行するための仕組みが不可欠です。
■投稿は”作業”ではなく「戦略的コミュニケーション」
多くの企業が陥りがちなのが、SNS投稿を単なる「作業」として捉えてしまうことです。しかし実際には、各投稿はターゲットとの重要なコミュニケーションであり、ビジネス目標達成のための戦略的なツールなのです。そのため、投稿する前に必ず以下の点を確認することをおすすめします。
- この投稿は誰に向けたものか?
- 読んだ人にどんな行動を起こしてもらいたいか?
- 自社のブランドイメージと一致しているか?
- フォロワーにとって価値のある内容か?
■社内でできる体制づくりのポイント
SNS運用を継続的に成功させるためには、個人の努力だけでなく、組織としての体制整備が重要です。特に以下の点を明確にしておくことで、運用の質と継続性を両立できます。役割分担の明確化を社内で検討してみましょう。
- 投稿企画:誰が月間のコンテンツプランを立てるか
- 素材準備:写真撮影、テキスト作成の担当者
- 投稿実行:実際にSNSに投稿する担当者
- 効果測定:データ分析と改善提案の担当者
■テンプレート化による効率化
投稿作業の負担を軽減するため、よく使用する投稿パターンのテンプレートを作成しておくことが効果的です。
- 商品紹介用テンプレート
- スタッフ紹介用テンプレート
- お客様の声紹介用テンプレート
- 季節の挨拶用テンプレート
これらのテンプレートがあることで、投稿品質を保ちながら作業時間を大幅に短縮できます。
いかがでしたか?
SNSで成果を上げるためには、単に「見られる」だけでなく、「選ばれる」アカウントになることが重要です。そのためには、表面的なテクニックよりも、一貫した言葉やターゲット設計に基づいた戦略的なアプローチが不可欠です。特に地方の中小企業にとって、SNSは大手企業と同じ土俵で勝負できる貴重なマーケティングツールです。予算や人員の制約があっても、明確な戦略と継続的な改善により、確実に成果を上げることができます。
成功のための3つのポイント(再確認)
- 目的の明確化:なぜSNSを運用するのか、どんな成果を目指すのかを明確にする
- ターゲットの具体化:誰に向けて発信するのかを詳細に設定し、その人に刺さる内容を継続的に提供する
- 人間味のある発信:企業アカウントでありながら、中の人が見える温かみのあるコミュニケーションを心がける
そして最も大切なのは、届けたい相手を明確にして、その人に確実に届けきることです。フォロワー数の多さよりも、本当に自社のことを理解し、応援してくれる人との深いつながりを築くことが、長期的なビジネス成功につながります。社内での共通理解があると、チーム全体でSNS運用に取り組むことができ、結果に直結しやすくなります。まずは小さな改善から始めて、徐々に仕組みを整えていくことをおすすめします。
SNS運用でお悩みの方へ
「SNS運用が思うようにいかない…」とお困りの企業様、投稿内容やターゲット設計を一緒に見直すだけでも大きな変化が期待できます。北海道・旭川のデザイン会社「株式会社ドリームクリエイト」では、地方企業のSNSマーケティングを数多くサポートしてきた実績があります。お気軽にご相談ください。当社のブログでは、SNS運用のより詳細なノウハウや最新事例、マーケティングやデザインの基本などを定期的にご紹介しています。
SNSからのDMでも、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
皆様のSNS運用が成功し、ビジネスの発展につながることを心より願っています。