デザイン会社が教える!適切な色を選ぶための7つのステップ

2023.08.18

DTPデザイン
デザイン会社が教える!適切な色を選ぶための7つのステップ

旭川市のデザイン会社、ドリームクリエイトです。

デザインを実際に取り組んでみようとか、専門的な会社に頼む前にちょっと自分でサンプルを作ってみようと思ったときに、必ず抑えておかなくてはならないこととして「色の使い方」があげられます。色は、人の感情やモノの雰囲気、季節や時間を表す重要な要素です。伝えたいデザインの意図と「色」がマッチしていないと、見ている人にとって何かちぐはぐなイメージを与えてしまったり、ピンと来ないイメージを与えてしまいます。

この記事では、色使いの基本を少しご紹介したいと思います。どれもデザイン会社で日常的に行われているものばかりですので、お役に立てると思います。これからデザイナーさんを目指す人にももしかしたら参考になるかもしれません。


 

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1/効果的なカラーコンビネーション

カラーコンビネーションは、デザインの印象や感情を大きく左右する重要な要素です。適切なカラーパレットを選ぶことで、ブランドの個性やメッセージを強調し、視覚的な魅力を高めることができます。季節のカラーコンビネーション、朝のカラーコンビネーション、夕方のカラーコンビネーション、夜のカラーコンビネーション、森のカラーコンビネーション、海のカラーコンビネーションなどなど、考えればたくさん出てきますよね。

それらをイメージさせるカラーコンビネーションが非常に重要、ということを覚えておいてください。

最適なカラーコンビネーションに必要なカラーパレットの作り方に関しては、こんな記事もありますので参考にしてみてください。
写真から季節のカラーパレットを作るTips集です。

 

 

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2/カラーホイールを理解しよう

カラーホイールはカラーの関係性を視覚的に示したものです。色のコンビネーションを見るためのもの、と考えましょう。

カラーホイールの基本色相として、赤(Red)・青(Blue)・黄(Yellow)があり、これらは「原色」と言われていて、そこから色を混ぜることによって中間色相ができあがっていきます。例えば、

  • オレンジ(Orange)だったら赤と黄
  • グリーン(Green)だったら青と黄
  • バイオレット(Violet)だったら赤と青

……というような感じです。

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さらに、コンプリメンタリーカラーと呼ばれるカラーホイール上で直接対照する位置にある2つの色相があり、対照色同士はお互いを引き立て、視覚的な対比を生み出します。また、アナログカラーと呼ばれるカラーホイール上で隣接する位置にある3つの色相があり、アナログカラー同士は似たトーンを持ち、柔らかな色の組み合わせを作り出します。

もうひとつ、トライアドカラーと呼ばれるカラーホイール上で等間隔に配置された3つの色相があり、トライアドカラーを使用することで、活気のあるコントラストを作り出すことができます。

カラーホイールは、異なる色相を組み合わせる際のガイドとして役立ちます。コンプリメンタリーカラーやアナログカラーなどの関係性を利用して、バランスのとれたカラーコンビネーションを選ぶことができます。デザインプロジェクトにおいて、カラーホイールを活用することで、カラーバランスや視覚的な効果をより理解し、クリエイティブなアプローチを取ることができるので、ぜひ活用してみましょう。

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3/カラーパレットを作ってみる

カラーホイールを理解したら、実際に自分のデザインで使用するカラーパレットを作ってみましょう。そうすることによって、そのデザインに統一感が生まれます。ブランドも、こういったカラーパレットが必ず存在します。

カラーパレットを作成する際には、デザインの目的やコンセプトに合った色を選び、それらを調和のとれた組み合わせにすることが重要です。ですので、まずはカラーパレットを作成する前に、デザインの目的やコンセプトを明確に決めましょう。ブランドアイデンティティの強化、特定の感情の引き出し、コミュニケーションの補完など、目的に合わせて色を選びます。

次に、デザインに適するカラーコンセプトを決定します。カラーパレットが伝えるべきメッセージや感情を明確にし、それに合った基本的な色相やトーンを考えます。そこからカラーパレットの基本となる色を選びます。主要な色相(赤、青、黄)やその他の中間色相(オレンジ、グリーン、バイオレット)を選んで、カラーパレットの基盤を構築します。

先ほどのカラーホイールを活用して、コンプリメンタリーカラーやアナログカラー、トライアドカラーなど、選んだ基本色に対しての関連色を選びます。これらの色は、視覚的な対比やコントラストを生み出し、デザインを引き立てますよ。カラーパレット内の色のバランスを考えることも忘れずに。メインカラーやアクセントカラーの比率を調整し、一貫性のあるバランスの取れた組み合わせを作ります。

次に、主要な色相と対照色の間に位置する中間色を選んでみましょう。これらの色は、トランジションやグラデーションなどで使用して、色の移行をスムーズに行うために役立ちます。選んだカラーを実際のデザインに適用してプレビューし、どのように見えるかを確認します。必要に応じて微調整を行い、視覚的な調和を確保します。

カラーパレットの作成にはカラーピッカーやオンラインのカラーコンビネーションツールを活用すると便利です。これらのツールを使用して、色相、彩度、明度などを調整し、最適なカラーパレットを見つけることができます。カラーパレットの作成はデザインプロジェクトの重要な一部であり、時間をかけて慎重に取り組む価値があります。デザインのコンセプトや目的に合わせて、魅力的で効果的なカラーパレットを作成することを心がけましょう。

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4/カラーパレットの目的を明確にする

カラーパレットの目的を明確にすることは、デザインの一貫性や独自性を確立するために非常に重要です。適切なカラーパレットを選ぶことで、コミュニケーションや感情を強化し、視覚的な一貫性を持たせることができます。カラーパレットは、デザインに強烈な印象を与える要素です。デザイン自体の価値観や独自性を色で表現し、一貫性のあるビジュアルメッセージを発信することができるのです。

色は感情やメッセージを伝える手段として強力です。カラーパレットはコミュニケーションの効果を補完し、視覚的な要素で情報を補足する役割を果たします。例えば、ウェブサイトや広告で特定の行動を促すボタンに目立つ色を使用することで、注意を引きやすくなります。また、一貫性のあるカラーパレットは、デザインの認識度を高めるのに役立ちます。人が特定の色やパターンを見ただけで、そのブランドを思い浮かべるようにすることだって可能です。

忘れてならないのは、色には特定の感情や心理的影響が関連しているということです。例えば、青は信頼や安定を、赤は情熱や興奮を表現します。レストランに赤や黄色が多用されるのも心理的影響を狙っているからです。カラーパレットを選ぶ際に、そのデザインが伝えたい感情やメッセージに合った色を選ぶことで、視覚的な魅力を高めることができます。

カラーパレットを選ぶ際には、これらの目的を明確にし、ブランドの個性やコンセプトに合ったカラーを選ぶことが大切です。適切なカラーパレットの選択は、デザインの成功に欠かせない要素の一つです。

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5/カラーパレットのバランス

カラーパレットのバランスは、異なる色を組み合わせて調和のとれた視覚的な効果を生み出すために非常に重要です。バランスが取れていないカラーパレットは、デザインが混乱し、視覚的な不快感を引き起こす可能性があります。上手な例としては、女性用の化粧品であるアイシャドウのセットなどを参考にしてもよいでしょう。ベースとなる色、補色の色、差し色がうまくバランスされています。

では、カラーパレットのバランスを実現するためのポイントをいくつか紹介しますね。

・メインカラーの適切な使用

カラーパレットにおけるメインカラーは、デザインの基盤を形成します。メインカラーを1つまたは2つ選び、これをデザインの大部分に使用します。これにより、一貫性のある外観が確保されます。

・アクセント色の節度

アクセント色はデザイン内で特定の要素を引き立てる役割を果たします。しかし、アクセント色を過剰に使用するとデザインが混雑する可能性があります。アクセント色の使用を節度に保ち、必要な要素にのみ適用することで、バランスを保つことができます。

・コンプリメンタリーカラーの対照

コンプリメンタリーカラー同士の対照は強力な視覚的効果を生み出しますが、過度に使用すると過激な対比になる可能性があります。コンプリメンタリーカラーをバランスよく配置し、全体的な調和を保つように心がけましょう。

・中間色の調整

カラーパレットには主要な色相と対照色だけでなく、中間色も含めることがあります。これらの色は色相の遷移やグラデーションをスムーズにするために使用されます。中間色もバランスを考えながら選び、適切に配置しましょう。

・明度と彩度のバリエーション

カラーパレット内の色の明度(明るさ)や彩度(鮮やかさ)にバリエーションを持たせることで、視覚的なダイナミズムを生み出すことができます。明るい色と暗い色、鮮やかな色と控えめな色をバランスよく組み合わせることで、デザインが魅力的に見えます。

・視線の誘導

カラーパレットのバランスを調整する際に、視線の誘導も考慮してください。特定の要素に注目が集まるような色の配置を検討し、バランスと視線の流れを両立させることが重要です。

バランスの取れたカラーパレットは、デザインの一貫性と魅力を高める鍵です。選んだ色を慎重に配置し、視覚的な混乱を避けるように心がけましょう。デザインの目的やコンセプトに合わせて、調和のとれたバランスを実現することが大切です。

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6/カラーの感情と意味

色には感情や意味が関連しており、特定の色が引き起こす感情や心理的な影響があります。デザインにおいて、色の選択はメッセージやデザインのコンセプトを強調し、視覚的な効果を制御するために重要な要素です。

一般的な色とそれに関連する感情や意味をいくつか紹介しますね。

赤(Red)

  • 感情 → 情熱、エネルギー、愛、興奮
  • 意味 → 注意、警告、力強さ、情熱的な要素

青(Blue)

  • 感情 → 落ち着き、信頼、冷静、安定
  • 意味 → 安心感、専門性、知識、信頼性

黄(Yellow)

  • 感情 → 明るさ、活気、楽しさ、希望
  • 意味 → クリエイティブ、ポジティブ、元気、注意喚起

緑(Green)

  • 感情 → 自然、健康、平和、成長
  • 意味 → 新鮮さ、持続可能性、調和、安心感

オレンジ(Orange)

  • 感情 → 活気、温かさ、友情、エネルギー
  • 意味 → 創造性、活動、親しみやすさ、元気

パープル(Purple)またはバイオレット(Violet)

  • 感情 → 贅沢、ロイヤル、精神的な成長、謎めいさ
  • 意味 → クリエイティブ、高貴さ、洗練、魔法的な要素

ピンク(Pink)

  • 感情 → 優しさ、ロマンス、感受性、希望
  • 意味 → 愛情、優美、楽観的、穏やかさ

ブラック(Black)

  • 感情 → 堅実、シック、厳粛、ミステリアス
  • 意味 → 優雅さ、力強さ、フォーマル、高級感

ホワイト(White)

  • 感情 → 清潔さ、純粋さ、平和、無垢
  • 意味 → ンプルさ、クリエイティブ、新たな始まり、明るさ

色の感情や意味は文化や個人によっても異なる場合がありますが、一般的なアソシエーションを把握することで、デザインにおける色の効果を理解し活用することができます。そのデザインのコンセプトや目的に合った色を選ぶことで、意図した感情やメッセージを視覚的に強調することができます。

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7/カラーコンビネーションのテスト

カラーコンビネーションのテストは、選んだ色がデザイン全体で調和し、意図したメッセージや感情を引き出すかどうかを確認するために行われます。今までの工程で選んだ色を実際のデザインに適用してみましょう。色がどのように相互作用するか、全体的なバランスや調和がどのように見えるかを確認します。

次に、使用するテキストなどが背景色と対比がとれているかどうが確認します。コントラストが不足していると読みにくさや視認性の問題が生じる可能性があるため、テキストの色を考えてみたり、配置を変えてみたりします。また、印刷ではなくて画面上のみで完結するようなデザインの場合には、カラーコンビネーションが異なる種類のディスプレイやモニター(例えばパソコンとスマートフォンなど)でどのように見えるかを確認したほうが無難です。色の見え方はデバイスや環境によって異なることがあるため、複数のディスプレイでテストすることが推奨されます。

必要に応じて、周りの人にデザインを見てもらって、色の選択が思い通りになっているのか、どのような影響を与えるかをテストしてもよいでしょう。自分では気付かない部分がきっとでてくるはずです。

カラーコンビネーションのテストはデザインプロセスの重要な一環であり、複数の方法を組み合わせて行うことがおすすめです。デザインの一貫性、調和、効果を確保するために、繰り返しテストを行い、最適なカラーパレットを見つけることを目指しましょう。

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いかがでしたか?

カラーコンビネーションはデザインの効果を大きく左右し、メッセージの伝達やそのデザインを強化する重要な要素です。デザインの目的やコンセプトに合わせて、適切な色の選択と組み合わせを行い、視覚的な魅力と効果を最大限に引き出すことを目指しましょう。

株式会社ドリームクリエイトでは、こういったカラーコンビネーションやパレットを活用したデザインを得意としています。印刷物、Webデザイン問わず、迷った際にはぜひご相談ください。

きっと、適切なご提案が可能ですよ!迷ったらプロにお任せください。