デザインをもっと身近に:日常で見るデザインの楽しみ方
2023.08.25
DTPデザイン北海道旭川市のデザイン会社、ドリームクリエイトです。
私たちは日常生活の中で無意識に多くのデザインに囲まれています。朝、手に取るコーヒーカップの形、通勤途中の交差点の看板、デスクに置かれたスマホのUI。これらすべてが何らかの「デザイン」によって形成されています。しかし、実は多くの人々が、これら日常の中のデザインの美しさや工夫を見逃しているのではないでしょうか?
この記事では、そんな日常の中のデザインの魅力にスポットライトを当て、私たちの生活をより豊かにするデザインの楽しみ方を考えてみます。デザインというのは、遠い存在や特別なものではなく、私たちの身の回りに溢れているものであり、それを楽しむことで日常がもっと鮮やかに、もっと感動的になるはずですよ。
はじめに
デザインと聞くと、多くの人は専門家の手がけたアート作品や、高級な家具、洗練された広告など、特別で洗練されたものを思い浮かべることが多いかもしれません。しかし、実際には、デザインは私たちの身の回りにある日常の中にも存在しています。
・デザインの存在感とその日常的な影響
デザインは、私たちが意識していない間にも、私たちの日常生活のあらゆる側面に影響を与えています。例えば、街中の看板やロゴ、交通標識、さらには食器や家具、衣服の形状や色彩まで、これらすべてがデザインの結果として存在しています。
このようなデザインがもたらす影響は、決して小さくありません。衣服のデザインは、その日の気分や自分自身を表現する手段として使用されることが多く、インテリアデザインは生活空間の心地よさや機能性を左右します。さらに、よく考えられたパッケージデザインは、製品の価値を高めるだけでなく、消費者の購買意欲を刺激する効果も持っています。
・身近なデザインに目を向けることの価値
日常の中で無意識に受け入れているデザインに目を向け、その価値を認識することは、私たちの生活をより豊かにする鍵となります。デザインには、ただ美しさを追求するだけでなく、使い手の生活を向上させるための機能性や使いやすさを考慮したものも多く存在します。身近なデザインに意識的に目を向けることで、その製品や空間が持つ意図や背景を理解し、より深くその価値を感じることができます。
さらに、日常の中のデザインをより意識的に楽しむことは、私たちの感性を研ぎ澄ませる効果もあります。新しい視点や感受性を持つことで、日常生活がより楽しく、刺激的に感じられるようになるのです。
生活の中のデザインの基本
デザインの存在は、私たちの日常に深く浸透しています。しかし、デザインとは一体何でしょうか?その定義や、何をもって「デザイン」と呼ぶのかについて考えてみましょう。
・デザインの定義とその多様性
デザインとは、広義には「計画的に何かを形成する活動やプロセス」と言えます。それは製品、建築、映像、サービスなど、多岐にわたる分野で見受けられます。デザインは、単に物事を美しくするだけではなく、機能や使いやすさ、そしてユーザーの心に響くメッセージを伝えるための方法としても捉えられます。
例えば、椅子のデザインは、見た目の美しさだけでなく、座り心地や耐久性、さらにはその椅子が持つストーリーやメッセージも考慮して形成されるものです。このように、デザインには多様な側面が存在します。
・何をもって「デザイン」と呼ぶのか
「デザイン」という言葉は、多くの人が思い浮かべる「美的な形状や色」だけを指すものではありません。むしろ、デザインはユーザーや社会のニーズに応え、より良い経験や価値を提供するための総合的なアプローチとして捉えることができます。
簡単な例を挙げれば、スマートフォンのユーザーインターフェースや、街角の案内看板、家の間取り、さらには料理の盛り付けまで、これらはすべて「デザイン」の一部として考えられます。それぞれのデザインは、特定の目的を果たすために、慎重に計画され、形成されています。
家の中のデザイン
家は私たちにとって特別な場所です。安らぎの場であり、毎日の生活を営む基盤であるとともに、自分のセンスや価値観を反映する場所でもあります。そのため、家の中のデザインは特に私たちの生活に影響を及ぼします。ここでは、家の中のデザイン、特に家具やインテリア、家電製品や調理器具のデザインについて考えてみましょう。
・家具やインテリアの選び方
家具やインテリアを選ぶ際、多くの人が最初に考えるのは「美しさ」や「トレンド」かもしれません。しかし、重要なのはそのアイテムが持つ機能性や、自分の生活スタイル、家の構造との相性です。
例えば、収納家具を選ぶ際には、どれだけの収納スペースが必要か、どのようなものを収納するのかを考慮すると良いはずです。部屋の広さや形状、他の家具やインテリアとの組み合わせを考慮して、バランスの良い配置を心がけましょう。また、自分のライフスタイルや趣味、家族構成に合わせて、実用的なアイテムを選ぶことが大切です。
・家電製品や調理器具の形や色の意味
家電や調理器具のデザインは、単に見た目の美しさだけでなく、使用者の心理や行動にも影響を与えることが研究されています。
例えば、丸みを帯びたデザインは使い手に安心感を与えるとされ、シャープなエッジはモダンで高級感があると感じられます。色も大きな印象を与えます。赤は活力やエネルギーを、青は冷静や安らぎを象徴すると言われます。キッチン用品で赤い色を取り入れることで、食事の準備を活発に、楽しく感じることができるかもしれません。
色が持つ意味や背景は、こちらの記事が参考になるかもしれません。
ファッションの中のデザイン
ファッションは、私たちが外部の世界に向けて発信する最も明確なメッセージの一つです。服のデザインや色、形、アクセサリーの組み合わせなど、選択するファッションアイテムは、私たちの価値観、個性、その日の気分などを反映しています。ファッションにおけるデザインの役割と、個人のスタイルとの関係について考えてみましょう。
・服やアクセサリーのデザインが伝えるメッセージ
色は強力な感情や意味を持っています。例えば、赤は情熱や活力を象徴し、青は冷静さや信頼性を意味します。選択する色は、その日の気分や、他人に伝えたいイメージに影響されることが多いです。スタイルで言えば、モダン、レトロ、ミニマルなど、服のデザインは様々なスタイルが存在します。それぞれのスタイルは異なる背景や文化、時代の影響を受けています。
また、アクセサリー類は、基本的な服装を更に特定の方向性へ導く役割を果たします。例えば、シンプルなワンピースに大きなネックレスを加えることで、エレガントな印象を強調することができます。
・個人のスタイルとデザインの関係
個人のスタイルは、その人が過去の経験、文化、価値観などから形成される独自の「ファッションの言語」です。このスタイルは、デザインの選択を通じて明確に表現されます。
ファッションは、自分自身を表現する道具の一つと言われています。自分の価値観や考えを、選択するデザインやアイテムで伝えることができますよね。また、気分や状況に応じてファッションのスタイルやデザインを変えることで、自分自身を新鮮に感じることができます。さらに、他者とのコミュニケーションの手段としても機能します。特定のグループやコミュニティに属していることを示すためのサインとして、特定のデザインやブランドを選択することもあります。
街角でのデザインの発見
歩いているだけで、街の隅々に隠れているデザインの美しさや工夫に気づくことができます。公共の場所のデザインや店舗の看板、さらには街のランドマークや路地裏のカフェのサインなど、日常に溢れるデザインを楽しむことで、街歩きがさらに魅力的なものとなります。
・公共の場所や店舗のデザイン
交通の要所である駅やバス停は、利便性と情報伝達の観点からデザインされています。例えば、地図のデザインや座席配置、案内看板の色や形状などは、利用者が快適に移動できるよう工夫されています。店舗のデザインなどは、ブランドのアイデンティティや商品の特色を強調するために重要です。特定の色や材料の選択、照明の配置などが、顧客の購買意欲やブランドに対する印象を大きく左右します。
・街のランドマークや小さなお店のサインなど、日常のデザインの楽しみ方
街のランドマークやモニュメントは、その地域の歴史や文化を象徴する重要な要素です。それらの形状や素材、色の選択は、地域の特色や時代背景を反映しています。小さな店舗やカフェのサインにも注目です。路地裏や小道に隠れるように存在するお店のサインやデザインは、店主の個性やこだわりが感じられるものが多いです。ハンドメイドのサインや、レトロなデザインの看板など、日常の中で発見する小さなデザインの楽しさは計り知れません。
街歩きをする際には、普段見過ごしがちなデザインの要素に目を向けることで、新しい発見や感動が増えます。建物のファサードや植栽、さらには道路の舗装やガードレールのデザインまで、意識して見ることで、街の美しさやデザインの工夫を感じることができますよ。
デザインの意識を高めるためのヒント
デザインへの興味や理解を深めることで、日常生活における美的な価値や機能的な価値をより豊かに感じることができます。以下は、デザインの意識を高めるためのヒントや資料、活動を紹介します。
・デザイン関連の本や映画の紹介
- デザインの歴史に関する本:デザインの背後にある歴史や文化的背景を理解することで、現代のデザインへの理解も深まります。書店や図書館などで興味のある本を手に取ってみるだけで新たなインスピレーションがあるかもしれません。
- デザイナーの伝記やインタビュー:成功したデザイナーやアーティストの生涯や哲学、制作プロセスを知ることで、デザインへの新しい視点やインスピレーションを得ることができます。
- テレビやドキュメンタリー:有名なドイツのプロダクトデザイナー、ディーター・ラムズの人生と哲学を描いた「RAMS」や、NHK Eテレの「デザインあneo」など個人的に好きでした。
・日常の中でデザインを意識的に楽しむための方法
- 写真を撮る:日常の中で気に入ったデザインや形、色を見つけたら、スマートフォンで写真を撮ることで、後でそのデザインを再評価することができます。
- デザインの展示会や美術館を訪れる:定期的にデザイン展や美術館を訪れることで、新しいデザインのトレンドや歴史的な背景を学ぶことができます。
- デザインに関するワークショップやセミナーに参加する:実際にデザインの作成プロセスに参加することで、デザインへの理解が深まります。
最後に
・日常生活の中でのデザインの役割の再確認
私たちの生活の中でデザインは無くてはならない存在です。それは、単に美しさを追求するものだけではなく、機能性や使いやすさ、さらには私たちの生活を豊かにするための要素として組み込まれています。家の中の家具や家電、街角の看板やランドマーク、そして私たちが身につける服やアクセサリーまで、日常生活のあらゆる場面でデザインと出会っています。
身近なデザインをもっと楽しむための意識の持ち方
デザインをもっと身近に感じ、日常の中でのその価値を最大限に活かすためには、デザインに対する意識を高めることが必要です。日常で見かけるデザインに意識的に目を向け、その背後にある意味や哲学、またはそれが持つ機能性や美的価値について考えることで、デザインの楽しさや魅力をより深く感じることができるようになります。
デザインを深く知るための資料や情報、映画やテレビ番組、YouTubeなどのコンテンツも役立ちます。これらを通じて、日常生活の中でのデザインの存在感やその意味を再確認し、身近なデザインをもっと楽しむための新しい視点や感受性を身につけることができますよ。
いかがでしたか?
私たちの周りには、気付かない間にデザインが溢れています。それはシンプルな日用品から、街の風景、身に纏うファッションまで、無数の形と色で私たちの生活を彩っています。しかし、その存在を当たり前として過ごしてしまうことも多いでしょう。だからこそ、日常の中でデザインに対する新しい視点を持つことで、私たちの生活はさらに鮮やかで、豊かになるのです。
デザインを通じて、日常に新しい喜びや発見を見つけるのは楽しいものです。身の回りの物や風景に、もう一度、心を傾けてみる。そこには、予想以上の驚きや感動が待っているかもしれません。