ウェブアクセシビリティの重要性: すべてのユーザーにとって使いやすいウェブサイトを作成する

2023.11.08

WEBデザイン
ウェブアクセシビリティの重要性: すべてのユーザーにとって使いやすいウェブサイトを作成する

北海道旭川市のデザイン会社、ドリームクリエイトです。

「アクセシビリティ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
スマートフォンの設定にも、この名前が表示されますので見たことがある、という方も多いでしょう。アクセシビリティは、「近づきやすさ」、「利用のしやすさ」、「便利であること」といった意味に翻訳されるように、利用者が機器やサービスを円滑に利用できること」という場合に使われています。

デザインとしてのアクセシビリティは、ウェブサイトやアプリケーションをすべての人々、特に障害を持つ人々にとって使いやすくアクセス可能にすることに焦点を当てています。これはただの道徳的な義務だけでなく、法律的な要件やビジネスの成功にも直結しています。アクセシビリティを確保することで、より広い範囲のユーザーにサービスを提供することができ、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を向上させ、結果としてビジネスのリーチと信頼性を拡大することができます。

特にウェブアクセシビリティは、インターネットが持つ包括的な性質を反映し、デジタル空間での平等なアクセスを促進する重要な要素となっています。しかし、アクセシビリティの実装は時として複雑であり、特にウェブデザインや開発の初心者にとっては挑戦となる場合があります。

この記事では、ウェブアクセシビリティの基本的な法律とガイドライン、その利点、実装方法、および実際の改善事例について説明し、ウェブアクセシビリティの重要性を理解し、実際に改善するための方法を提供します。デジタル空間でのインクルーシブなエクスペリエンスを作成し、すべてのユーザーにとって使いやすいウェブサイトを作成する方法をご紹介します。


 

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□ウェブアクセシビリティの法律とガイドライン

ウェブアクセシビリティは、多くの国や地域で法律やガイドラインによって規定されています。日本でも、ウェブアクセシビリティの向上に向けていくつかの法律やガイドラインが整備されています。

・法律

障害者の雇用の促進及び障害者等の職業生活の支援に関する法律

この法律は、障害者の雇用促進と職業生活の支援を目的としており、ウェブアクセシビリティに関連する条項も含まれています。企業や組織は、ウェブサイトやアプリケーションを障害者にとってアクセスしやすくする必要があります。

情報通信アクセス協議会 (IAJAPAN) のガイドライン

情報通信アクセス協議会は、ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン (WCAG) 2.0 に基づいて、日本のウェブアクセシビリティ基準を策定しています。これらのガイドラインは、ウェブデザインや開発におけるアクセシビリティの基本的なフレームワークを提供します。

・実際の例

東京都ウェブアクセシビリティ方針

東京都は、ウェブアクセシビリティの向上を目指す方針を設けており、ウェブサイトの利用者に対して情報を適切に提供するための基準を定めています。この方針は、視覚や聴覚の障害を持つ人々にとってもウェブサイトが利用しやすいようにすることを目指しています。

国立情報学研究所 (NII) のウェブアクセシビリティ評価ツール

国立情報学研究所は、ウェブアクセシビリティ評価ツールを提供しており、ウェブサイトのアクセシビリティを自動で評価し、改善点を提供することができます。これにより、ウェブサイトの運営者はアクセシビリティの問題点を特定し、改善することができます。

日本におけるウェブアクセシビリティの法律やガイドラインは、障害を持つ人々にとってもウェブサイトやアプリケーションが使いやすく、アクセス可能であることを保証するための基盤を提供しています。これらの法律やガイドラインは、ウェブデザイナーや開発者にアクセシビリティを考慮したウェブサイトの作成を促し、障害を持つ人々にとっても情報へのアクセスを保証しています。


 

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□アクセシビリティの利点

ウェブアクセシビリティは、単に法律の要件を満たすだけでなく、ビジネスとユーザーの両方に多くの利点をもたらします。以下に、ウェブアクセシビリティの主な利点と、実際の実例をいくつか紹介します。

広範なユーザーベース

アクセシビリティの向上は、障害を持つ人々を含むより広範なユーザーベースにウェブサイトやアプリケーションを利用可能にし、結果としてビジネスのリーチと顧客基盤を拡大します。

ユーザーエクスペリエンスの向上

使いやすくアクセス可能なウェブサイトは、全てのユーザーにとって良いユーザーエクスペリエンスを提供し、顧客満足度を高めます。

SEO(検索エンジン最適化)の向上

ウェブアクセシビリティの実践は、SEOの向上にも寄与し、ウェブサイトの検索エンジンランキングを向上させる可能性があります。

ブランドイメージの向上

アクセシビリティの向上は、企業の社会的責任(CSR)とブランドイメージを強化し、より良い企業市民としての評判を築く助けとなります。

法律の遵守とリスクの低減

アクセシビリティ法律とガイドラインの遵守は、法律的なリスクを低減し、可能な訴訟からビジネスを保護します。

・実際の実例

Appleのアクセシビリティ機能

Appleは、視覚や聴覚の障害を持つ人々を含む全てのユーザーに対してアクセス可能な製品とサービスを提供することに力を入れています。例えば、VoiceOverというスクリーンリーダー技術は、視覚障害者がiOSデバイスを使用するのを支援し、Appleの製品のアクセシビリティを向上させています。

Microsoftのアクセシビリティイニシアティブ

Microsoftもまた、アクセシビリティを重視し、製品とサービスを全てのユーザーに利用可能にするための多くのリソースとツールを提供しています。この取り組みは、Microsoftの製品を使う全ての人にとって使いやすく、アクセス可能にすることを目指しています。

これらの例は、ウェブアクセシビリティの実装がビジネスとユーザーにどのような利点をもたらすかを示しています。アクセシビリティは、ビジネスの成功とユーザーサティスファクションの向上に不可欠であり、それに投資することは非常に価値があります。


 

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□実際のアクセシビリティ改善事例

ウェブアクセシビリティは、ウェブサイトやアプリケーションを全てのユーザーにとってアクセス可能にするための重要な側面であり、多くの企業や組織がこの分野で積極的な取り組みを行っています。

1.北海道の官公庁のホームページ

北海道の公式ホームページでは、日本工業規格 JIS X 8341-3:2016 のウェブコンテンツのアクセシビリティ適合レベルAAの基準を満たすことを目指しています。これにより、高齢者や障害者を含む多くの人々がウェブサイトを利用できるようになっています​し、​札幌市の公式ホームページでは、アクセシビリティの維持と向上に努めており、「年齢や障害の有無を問わず、誰にとっても分かりやすく利用しやすいホームページの実現」を目指しています​。また、旭川市もウェブアクセシビリティ方針を設けており、インターネット利用の習熟度、障害の有無、年齢などにかかわらず、全ての方が快適に閲覧できるように努めています​。

2.日本航空 (JAL)

日本航空は、ウェブサイトのアクセシビリティを向上させるプロジェクトを実施し、視覚障害者や聴覚障害者にも使いやすいウェブサイトを提供しています。日本航空のウェブサイトは、スクリーンリーダーとの互換性やキーボードナビゲーションを含む多くのアクセシビリティ機能を備えています。

これらの事例は、北海道の公的機関がや各企業がウェブアクセシビリティの向上に努めていることを示しています。それぞれのウェブサイトは、ウェブアクセシビリティの標準を満たすことを目指しており、利用者がウェブサイトを利用しやすくする取り組みを行っています。

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いかがでしたか?

ウェブアクセシビリティは、障害などを持つ人々を含む全てのユーザーにとってアクセス可能で使いやすいことを目標とします。デジタル環境を構築し、全てのユーザーにウェブサイトやアプリケーションの利用を可能にする重要な要素です。

全ての人々が平等にアクセスし、参加し、貢献できるようにするサイト構築はコストもかかることから中小企業のサイトではなかなか導入できないのが現状となっていますが、それでもこういった取り組みが増えていくことを期待しています。

もちろん、私たち株式会社ドリームクリエイトもアクセシビリティの概念を取り入れたホームページ制作が可能です。まずはご相談ベースからでも構いませんので、ぜひお問い合わせください。