SNSで”らしさ”を発信!BtoB企業が成果を出す5大プラットフォーム活用術
2025.07.07
SNS運用
1. はじめに:なぜBtoB企業もSNSが必要なのか
コロナ禍を境に、ビジネスの世界は大きく様変わりしました。オンライン商談が当たり前となり、リモートワークが常態化する中で、従来の営業手法だけでは新規顧客獲得が困難になってきています。そんな中、注目を集めているのがSNSを活用したマーケティング戦略です。
実際に、BtoB企業の多くがSNS経由でのリード獲得数を前年比で150%以上伸ばしているというデータもあります。リード獲得とは、将来的に顧客になる可能性のある見込み客の連絡先情報を取得することを指します。しかし、多くの企業が「どのプラットフォームから始めればいいのか」「どんなコンテンツを投稿すればいいのか」「効果をどう測定すればいいのか」といった悩みを抱えているのも事実です。
特に、限られたリソースの中で最大限の成果を出したい中小企業や、SNS運用の経験が浅い担当者にとって、体系的な戦略立案は喫緊の課題となっています。そこで本記事では、LinkedIn、Instagram、Twitter、短尺動画、そして社員発信という5つの主要プラットフォームに焦点を当て、それぞれの特性を活かした具体的な運用手法をご紹介します。
読み進めていただくことで、自社にとって最適なSNS運用プランを描けるようになり、明日からでも実践できる具体的なアクションプランを手に入れることができるでしょう。
2. LinkedIn:リード獲得に直結する企業ページ&投稿戦略
LinkedInは、世界最大級のビジネス特化型SNSプラットフォームです。日本でも会員数が300万人を超え、特にBtoB企業にとっては欠かせない存在となっています。他のSNSと比べて、意思決定権を持つ経営層やマネージャー層の利用率が高いため、質の高いリード獲得が期待できるのが最大の特徴です。
■企業ページ最適化のポイント
LinkedInで成果を出すためには、まず企業ページの最適化が必要不可欠です。企業ページは、いわば会社の顔となる重要な場所であり、訪問者が最初に目にする情報がその後の印象を大きく左右します。
キャッチコピーの作成においては、自社の専門分野や強みを表すキーワードを必ず盛り込むことが重要です。例えば「製造業のDX推進をサポートする○○株式会社」といったように、業界名と自社の価値提供を明確に表現しましょう。これにより、検索時に表示されやすくなるだけでなく、訪問者にとって自社がどんな会社なのかが一目で理解できるようになります。
カバー画像とアバター選定も、企業の専門性を視覚的に伝える重要な要素です。カバー画像には、自社の主力商品やサービスを活用している様子、または企業の価値観を表現する画像を使用することで、テキストだけでは伝えきれない企業の魅力を表現できます。アバター画像については、企業ロゴを使用するのが一般的ですが、背景色や形状を工夫することで、他社との差別化を図ることも可能です。
サービス紹介セクションでは、自社が提供するソリューションの具体的な内容と、それによって顧客が得られるメリットを明確に記載しましょう。ただし、専門用語ばかりを並べるのではなく、業界の初心者でも理解できるような平易な言葉で説明することが大切です。
■投稿コンテンツの型5選
LinkedInでエンゲージメントの高い投稿を作成するためには、投稿パターンを体系化することが効果的です。顧客事例インタビューは、最も反応が良い投稿タイプの一つです。実際に自社のサービスを利用して成果を上げた顧客の声を紹介することで、サービスの価値を具体的に伝えることができます。インタビュー形式で課題と解決策、そして得られた成果を時系列で紹介すると、読み手にとって分かりやすい内容になります。
業界動向の独自分析レポートは、自社の専門性をアピールする絶好の機会です。業界の最新トレンドや統計データを自社の視点で分析し、今後の展望とともに投稿することで、フォロワーにとって価値ある情報提供ができます。ただし、他社の分析をそのまま引用するのではなく、自社ならではの独自の視点や考察を必ず加えることが重要です。
製品の技術解説投稿では、ビフォー・アフターの比較を活用することで、サービスの効果を視覚的に伝えることができます。例えば、自社のソフトウェア導入前後での作業効率の変化を具体的な数値とともに紹介したり、製造工程の改善事例を写真付きで解説したりすることで、読み手の理解を深めることができます。
社員インサイト投稿は、企業の人間味を表現する重要なコンテンツです。技術者や営業担当者など、各分野の専門家が業界について語ることで、企業の専門性と親しみやすさを同時に伝えることができます。社員が実際に体験した成功事例や失敗談を交えることで、より説得力のある内容になります。
イベントやウェビナーの告知投稿では、参加することで得られる具体的なメリットを明確に伝えることが重要です。単に開催日時を告知するだけでなく、どんな課題を解決できるのか、どんな知識やスキルが身につくのかを具体的に説明しましょう。
■成果を出すためのチェックリスト
LinkedInで継続的に成果を出すためには、投稿の品質管理が欠かせません。まず、投稿タイトルには必ずSEOキーワードを含めることを心がけましょう。これにより、LinkedIn内の検索結果に表示されやすくなり、より多くの人に投稿を見てもらうことができます。画像については、1200×627ピクセルのサイズで最適化することで、フィード上で美しく表示されるようになります。また、投稿後24時間以内には必ず自社アカウントでリアクションを行い、エンゲージメントの初期値を高めることも重要なポイントです。
3. Instagram:ビジュアルで”らしさ”を伝える投稿メソッド
InstagramはビジュアルコンテンツがメインのSNSプラットフォームですが、BtoB企業でも効果的に活用することができます。特に、企業の「らしさ」や「人間味」を表現するのに適しており、ブランディング効果が高いのが特徴です。日本国内の月間アクティブユーザー数は3,300万人を超え、幅広い年齢層に利用されているため、潜在顧客へのリーチ拡大が期待できます。
■企業らしさを演出する5つの投稿パターン
Instagramで企業アカウントを運用する際は、投稿パターンを体系化することで、一貫性のあるブランディングが可能になります。プロダクトビジュアルとキャッチコピーを組み合わせた投稿は、自社商品やサービスの魅力を直感的に伝える効果的な手法です。商品の機能や特徴を説明するテキストと、それを視覚的に表現する写真やグラフィックを組み合わせることで、フォロワーの理解を深めることができます。ただし、商品の説明に終始するのではなく、それを使用することで得られるメリットや体験を強調することが重要です。
Behind-the-Scenes投稿では、製造現場や開発の舞台裏を紹介することで、企業の真摯な姿勢や技術力をアピールできます。工場での製造過程、開発チームの議論風景、品質検査の様子など、普段は見ることのできない企業の内側を公開することで、フォロワーとの距離を縮めることができます。ただし、企業秘密や機密情報が写り込まないよう、撮影前には必ず確認を行いましょう。
インフォグラフィックを活用した投稿は、複雑なデータや統計情報を分かりやすく視覚化するのに適しています。業界の市場規模、自社サービスの導入効果、顧客満足度など、数値で表現できる情報をグラフやチャートで表現することで、説得力のあるコンテンツを作成できます。インフォグラフィックとは、情報やデータを図表やイラストを使って視覚的に表現したものを指します。
クライアントの声や事例をスライド形式で紹介する投稿は、サービスの価値を第三者の視点から伝える効果的な方法です。顧客の課題、導入の経緯、得られた成果を時系列で紹介することで、潜在顧客にとって参考になる情報を提供できます。顧客の許可を得た上で、実名や企業名を掲載することで、より信頼性の高いコンテンツになります。
社員の一日のルーティンを写真で紹介する投稿は、企業の働きやすさや社風を伝える効果があります。朝の準備から業務終了まで、実際の働く様子を自然体で紹介することで、求職者や取引先に対して良い印象を与えることができます。ただし、プライバシーに配慮し、社員の同意を得た上で投稿することが必要です。
■統一感を出すブランドガイド
Instagramで効果的なブランディングを行うためには、投稿全体に統一感を持たせることが重要です。カラーパレットの設定では、企業のコーポレートカラーを基調としながら、2〜3色の補色を定めることで、視覚的に統一されたフィードを作成できます。フォントについても、企業の印象に合ったものを1〜2種類選定し、一貫して使用することで、ブランドの認知度向上につながります。
トーン・アンド・マナーとは、投稿における文章の調子や表現方法のことです。企業の性格や価値観を反映した一貫した口調で投稿することで、フォロワーに対して安定した印象を与えることができます。例えば、革新的な技術企業であれば「チャレンジ精神」を、老舗企業であれば「信頼性」を表現する言葉選びを心がけましょう。
ハイライト機能では、重要な投稿をカテゴリー別に整理して表示することができます。アイコンのデザインを統一することで、プロフィールページ全体の美しさが向上し、訪問者にとって情報を探しやすくなります。「商品紹介」「会社案内」「採用情報」など、企業にとって重要なテーマごとにハイライトを作成し、定期的に内容を更新することが効果的です。
■フォロー増加の運用ポイント
Instagramでフォロワー数を増やすためには、投稿頻度とタイミングの最適化が重要です。週3回の通常投稿と週2回のストーリーズ投稿というリズムは、フォロワーに対して適度な情報提供を行いながら、運用負荷を抑えることができるバランスの良い頻度です。ストーリーズは24時間で消える投稿機能で、よりカジュアルな内容や速報性の高い情報を共有するのに適しています。
ハッシュタグの選定では、自社の業界に関連するタグと、顧客が抱える課題に関連するタグを組み合わせることで、より多くの潜在顧客にリーチすることができます。例えば、製造業向けのソフトウェア会社であれば「#製造業」「#生産性向上」「#工場自動化」といったハッシュタグを活用し、投稿あたり10〜15個程度使用することが効果的です。ただし、投稿内容と関連性の低いハッシュタグの使用は避け、質の高いリーチを心がけましょう。
4. X(Twitter):情報拡散力を活かしたハッシュタグ&タイミング戦略
Twitterは即時性と拡散力に優れたSNSプラットフォームです。日本国内の月間アクティブユーザー数は4,500万人を超え、情報収集や意見交換の場として幅広く利用されています。BtoB企業にとっては、業界の最新情報や専門知識を発信することで、思想的リーダーシップを確立し、潜在顧客との接点を作ることができる重要なチャネルです。
ハッシュタグの定量分析手法
X(Twitter)で効果的な情報発信を行うためには、ハッシュタグの戦略的な選定が不可欠です。まず、自社の業界や商品に関連するキーワードの検索数を調査し、それぞれのキーワードでどの程度のツイートが投稿されているかを分析します。この分析作業には、ExcelやGoogleスプレッドシートを活用することで、データを可視化し、より効果的なハッシュタグの組み合わせを見つけることができます。
具体的には、候補となるハッシュタグを縦軸に、月間検索数と月間投稿数を横軸にしたマトリックスを作成します。検索数が多く、投稿数が少ないハッシュタグは、競合が少ないながらも需要があるキーワードとして、積極的に活用すべき対象となります。逆に、検索数も投稿数も多いハッシュタグは、競合が激しいものの、多くの人の目に触れる可能性が高いため、投稿内容の質を高めた上で活用することが効果的です。
この分析を月に一度実施することで、業界のトレンドの変化に対応したハッシュタグ戦略を立てることができます。また、自社の投稿に対するエンゲージメント率も同時に記録することで、どのハッシュタグの組み合わせが最も効果的だったかを把握することができます。
■最適投稿タイミング
X(Twitter)での投稿効果を最大化するためには、ターゲットとなるユーザーがアクティブな時間帯を狙って投稿することが重要です。一般的に、平日の朝9時、昼12時、夕方18時は、多くのビジネスパーソンがX(Twitter)をチェックする時間帯として知られています。朝9時は通勤時間や始業前、昼12時は昼休み、夕方18時は帰宅時間や終業後にあたり、これらの時間帯は自然とSNSを見る人が増える傾向にあります。
ただし、これらの時間帯は一般的な傾向であり、自社のフォロワーの属性や業界特性によって最適なタイミングは異なる場合があります。X(Twitter)アナリティクス機能を活用して、自社のフォロワーがどの時間帯に最もアクティブかを分析し、それに合わせて投稿スケジュールを調整することが効果的です。
また、業界特有のイベントや発表のタイミングに合わせた投稿も効果的です。例えば、製造業であれば展示会の開催時期、IT業界であれば新製品の発表シーズンなど、業界内で注目が集まる時期を狙って関連する投稿を行うことで、より多くのエンゲージメントを獲得することができます。
■リツイートを狙うコンテンツ設計
X(Twitter)の最大の特徴である拡散力を活かすためには、リツイートされやすいコンテンツを作成することが重要です。業界の知見やトレンドに関する独自の分析や裏話は、フォロワーにとって価値ある情報として認識され、リツイートされる可能性が高くなります。ただし、単に情報を伝えるだけでなく、自社ならではの視点や体験を加えることで、オリジナリティのあるコンテンツにすることが大切です。
アンケート機能の活用も、エンゲージメントを高める効果的な手法です。業界の課題や今後の展望について、フォロワーの意見を聞くことで、双方向のコミュニケーションを生み出すことができます。アンケート結果をもとに、さらに詳しい分析や解説を投稿することで、一つの話題から複数の投稿を作成することも可能です。
また、画像や動画を活用したコンテンツも、テキストのみの投稿と比較してリツイート率が高い傾向にあります。データのグラフ化、プロセスの図解、商品の活用例など、視覚的に理解しやすいコンテンツを作成することで、より多くの人に情報を届けることができます。
5. ショート動画(リール/ショート):CVRを倍増させる構成術
短尺動画コンテンツは、現在最も注目されているSNSフォーマットの一つです。InstagramのリールやYouTubeショーツなど、様々なプラットフォームで短尺動画機能が提供されており、従来のテキストや静止画投稿と比較して、圧倒的に高いエンゲージメント率を記録しています。CVRとは、コンバージョン率(Conversion Rate)の略で、投稿を見た人のうち、実際に問い合わせや資料請求などのアクションを起こした人の割合を指します。
■なぜ短尺動画か?
短尺動画が注目される理由は、主に二つあります。まず、各SNSプラットフォームのアルゴリズムが短尺動画を優遇していることです。アルゴリズムとは、どの投稿を誰に表示するかを決める仕組みのことで、短尺動画は通常の投稿と比較して、より多くの人のタイムラインに表示されやすい設定になっています。これにより、フォロワー以外の人にもコンテンツが届きやすく、新規フォロワー獲得の機会が増加します。
二つ目の理由は、短尺動画の高い視聴完了率です。15秒から30秒程度の短い動画は、視聴者にとって心理的な負担が少なく、最後まで見てもらいやすいという特徴があります。完全視聴率が高い動画は、SNSのアルゴリズムによってさらに多くの人に表示されるという好循環を生み出します。また、短時間で要点を伝える必要があるため、メッセージが明確になりやすく、視聴者の記憶に残りやすいという効果もあります。
BtoB企業にとって短尺動画は、複雑な商品やサービスを分かりやすく説明する手段として非常に有効です。従来のテキストベースの説明では理解が困難な技術的な内容も、動画であれば視覚的に伝えることができ、視聴者の理解度向上につながります。
■30秒で伝えるストーリー構成
効果的な短尺動画を作成するためには、限られた時間内で視聴者の注意を引き、メッセージを伝え、行動を促すという一連の流れを設計する必要があります。最初の3秒間は、視聴者が動画を見続けるかどうかを決める重要な時間です。この時間内に、視聴者が抱えている課題や疑問を提示することで、「自分に関係がある内容だ」と認識してもらうことができます。
例えば、製造業向けの効率化ソフトウェアを紹介する動画であれば、「毎日の作業報告書作成に1時間かかっていませんか?」といった問いかけから始めることで、該当する視聴者の関心を引くことができます。問題提起の際は、具体的な数値や状況を使用することで、リアリティを高めることが重要です。
動画の中間部分(10〜20秒)では、提示した問題に対する解決策を明確に提示します。ここでは、自社の商品やサービスがどのように問題を解決するかを、できるだけ具体的に説明します。ただし、機能の説明に終始するのではなく、それを使用することで得られるメリットや変化を強調することが効果的です。先ほどの例であれば、「弊社のソフトウェアを使用することで、作業報告書の作成時間を15分に短縮できます」といった具体的な効果を示します。
最後の5秒間は、視聴者に具体的な行動を促すCall to Action(CTA)の時間です。「詳しくはプロフィールのリンクから」「DMでお気軽にご相談ください」「資料請求はコメント欄から」など、次に取るべき行動を明確に指示することで、視聴者を具体的なアクションに導くことができます。
■制作・運用の時短ワークフロー
短尺動画の制作は、一見すると手間がかかりそうに思えますが、効率的なワークフローを確立することで、比較的少ない工数で継続的に制作することが可能です。まず、動画の企画段階では、あらかじめスクリプト(台本)を作成することが重要です。30秒という短い時間内で伝えたい内容を整理し、時系列に沿って話す内容を文字に起こしておくことで、撮影時間の短縮と品質の向上を図ることができます。
撮影については、高価な機材は必要なく、スマートフォンでも十分に高品質な動画を制作することができます。ただし、音声の品質は視聴体験に大きく影響するため、静かな環境での撮影を心がけ、必要に応じて外部マイクの使用を検討しましょう。照明についても、自然光を活用することで、特別な機材なしでも明るく見やすい映像を撮影することができます。
編集作業では、複雑な加工は避け、カットとテロップ挿入を中心とした簡易編集に留めることで、作業時間を短縮できます。テロップは、重要なキーワードや数値を視覚的に強調するために使用し、動画を音声なしで視聴する人にも内容が伝わるよう配慮します。
定時投稿機能を活用することで、制作した動画を最適なタイミングで自動投稿することができます。複数の動画をまとめて制作し、スケジュール投稿に設定することで、日常的な運用負荷を軽減することができます。
6. 社員発信:ブランド大使を育てる社内ガイドライン策定法
社員発信は、企業の人間味と専門性を同時に伝えることができる強力なマーケティング手法です。社員一人ひとりが企業の代表として情報発信を行うことで、企業アカウントだけでは届かない層にもリーチすることができ、より多角的なブランディングが可能になります。また、社員の個人的な視点や体験談は、企業の公式発信よりも親しみやすく、信頼性が高いと感じられる傾向があります。
■社員が投稿すべきテーマ&頻度
社員発信を効果的に行うためには、投稿テーマと頻度を明確に定めることが重要です。プロジェクトの裏話については、月に1回程度の頻度で投稿することが適切です。この投稿では、通常は表に出ない開発過程での苦労や工夫、チームメンバーとの協力などを紹介することで、企業の仕事に対する真摯な姿勢を伝えることができます。ただし、企業秘密や顧客情報に関わる内容は避け、公開しても問題のない範囲での発信を心がける必要があります。
業界ニュースの解説については、週に1回程度の頻度で投稿することで、社員の専門性をアピールできます。業界の最新動向について、その分野の専門家としての見解や解釈を加えることで、フォロワーにとって価値ある情報提供ができます。ニュースの単純な紹介ではなく、自社の事業や顧客にとってどのような影響があるかという視点を加えることで、より実用的な内容になります。
オフィス風景の投稿は、隔週に1回程度の頻度で行うことで、企業の働きやすさや社風を伝えることができます。会議室での議論の様子、休憩時間の過ごし方、社内イベントの風景など、日常的な働く様子を自然体で紹介することで、求職者や取引先に対して良い印象を与えることができます。ただし、写真に写る社員のプライバシーに配慮し、事前に許可を得ることが必要です。
これらの投稿テーマを組み合わせることで、社員の専門性、企業の人間味、職場環境の良さを多角的に伝えることができます。投稿頻度については、無理のない範囲で継続することが最も重要であり、品質を保ちながら長期的に発信を続けることで、徐々にフォロワーとの信頼関係を築くことができます。
■ガイドラインの必須項目
社員発信を組織的に展開するためには、明確なガイドラインの策定が不可欠です。まず、投稿テンプレートを用意することで、社員が迷うことなく統一感のある発信を行うことができます。導入文については、「○○株式会社の△△部で働く□□です」といった自己紹介から始まり、投稿の目的や背景を簡潔に説明する形式が効果的です。これにより、投稿を見た人が、どの企業のどの部署の人が発信している情報なのかを明確に理解することができます。
ハッシュタグについても、企業統一のものを用意することが重要です。企業名、部署名、業界関連のキーワードを組み合わせたハッシュタグセットを作成し、社員が毎回同じハッシュタグを使用することで、企業関連の投稿として認識されやすくなります。例えば、「#○○株式会社 #製造業 #技術開発 #エンジニア」といった組み合わせを基本セットとして設定します。
禁止ワードリストの作成は、リスク管理の観点から極めて重要です。競合他社の固有名詞、顧客の機密情報に関わる可能性のある単語、政治的・宗教的な表現など、企業のブランドイメージに悪影響を与える可能性のある言葉を明確にリストアップします。また、セキュリティ面では、社内システムの詳細、アクセス権限、セキュリティ対策の具体的内容など、外部に公開すべきでない情報についても明確に定義します。
投稿フォーマットについては、テキストの文字数、画像のサイズ、動画の長さなど、各SNSプラットフォームに適したフォーマットを明記します。これにより、社員が迷うことなく、各プラットフォームに最適化された投稿を作成することができます。また、企業ロゴの使用方法、色使いのルール、フォントの指定なども含めることで、視覚的な統一感を保つことができます。
■定着させるための仕掛け
社員発信を企業文化として定着させるためには、継続的なモチベーション維持の仕掛けが必要です。社内表彰制度の導入は、その有効な手段の一つです。月間ベスト投稿を選定し、社内報やイントラネットで紹介することで、発信を行った社員への評価と感謝の気持ちを表現できます。表彰基準については、エンゲージメント数だけでなく、投稿の質や企業価値の表現度なども総合的に評価することで、より良質な発信を促すことができます。
社内SNS勉強会の定期開催も、スキル向上とモチベーション維持に効果的です。月に1回程度の頻度で、効果的な投稿の作り方、各SNSの最新機能、成功事例の共有などを内容とした勉強会を開催することで、社員のSNSリテラシー向上を図ることができます。また、他部署の社員との交流の場としても機能し、部署を越えた情報共有や協力関係の構築にもつながります。
発信内容のフィードバック制度も重要な要素です。投稿に対するエンゲージメントの分析結果や、外部からの反応を定期的に社員にフィードバックすることで、自分の発信がどのような効果を生んでいるかを実感してもらうことができます。また、改善点についても建設的な形でアドバイスを提供することで、継続的なスキル向上を支援できます。
いかがでしたか?
本記事でご紹介した5つのプラットフォーム活用術を実際に成果につなげるためには、段階的なアプローチが重要です。すべてを同時に始めるのではなく、まずは効果の高い施策から着手し、徐々に活動範囲を広げていくことで、無理なく継続的な成果を得ることができます。
重要なのは、完璧を求めすぎず、まずは始めてみることです。SNSマーケティングは継続的な改善によって効果を高めていく手法であり、最初から完璧な結果を求める必要はありません。まずは上記の3つのアクションから始めて、効果を測定しながら徐々に活動を拡大していくことで、自社に最適なSNS運用スタイルを見つけることができるでしょう。
本記事でご紹介した「5大プラットフォーム活用術」は、多くのBtoB企業で実際に成果を上げている実践的な手法です。ただし、業界や企業規模、ターゲット顧客によって最適な手法は異なるため、自社の状況に合わせてカスタマイズしながら活用することが重要です。
「自社に最適なSNS運用プランを相談したい」という方は、ぜひ株式会社ドリームクリエイトまでお気軽にお問い合わせください。北海道・旭川を拠点とする当社では、地方企業ならではの課題やリソースの制約を理解した上で、実践的で継続可能なSNSマーケティング戦略をご提案いたします。
SNSマーケティングは、もはや大企業だけのものではありません。適切な戦略と継続的な努力によって、どのような規模の企業でも成果を得ることができる時代になっています。ぜひ今日から、できることから始めてみてください。きっと、数か月後には想像以上の成果を実感していただけることでしょう。