まずはここからスタート!:マーケティング初心者のための基本用語ガイド10選

2023.09.08

マーケティング
まずはここからスタート!:マーケティング初心者のための基本用語ガイド10選

北海道旭川市のデザイン会社、ドリームクリエイトです。

企業の営業部署の中に、「マーケティング」という担当が存在している所が増えてきました。マーケティングはビジネスの成功に欠かせない要素であり、その世界に足を踏み入れると、多くの用語や概念に出会うことになります。初心者の方にとっては、これらの用語が複雑で理解しづらいこともあるかもしれません。

この記事では、新しくマーケティングを始めるにあたって、最初に覚えておくべき用語を10個選んで解説します。企業の担当でなくても「マーケティング」という概念はとても大切。ぜひ、覚えてくださいね。


 

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そもそもマーケティングとは?

マーケティングは、製品やサービスを顧客に販売するための戦略的な活動やプロセスのことです。つまり、マーケティングは商品やサービスを知ってもらい、購入してもらうために行われる一連の取り組みです。

つまり、「購入してもらう」という結果に関しては営業とまったく同じです。営業と決定的に異なる点は、流れる時間軸です。営業は「すぐにでも買いたい!」と思っている人向け。マーケティングは、「購入を検討している」「いいものがあったら考えてもいい」……のように、今すぐには買わないけど、将来的には買う「かも」しれない見込み客相手、という人向けです。

その買うかもしれない「見込み客」をターゲットとし、その市場や行動などを分析したり開拓したり、あるいはプロモーション活動を展開して商品を知ってもらったりする一連の活動を「マーケティング」と呼んでいます。また、すでに購入してくれている顧客に対しての「囲い込み」などもマーケティングに含まれます。

マーケティングには様々な手法や戦略、用語などが存在し、これらが「マーケティングは難しい」と感じさせる一端なのかもしれませんが、どうしたらモノやサービスを買ってくれるのかを消費者目線で考えることは実は意外に楽しかったりします。私たちがその商品を買ってみたい、と思うきっかけのほとんどは、実は「マーケティング」活動の賜物なのです。


 

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最初に覚えておくべき用語10選

では、ここからは実際にマーケティング活動をするにあたって最初に覚えておくべき用語を10個ご紹介します。

1.ターゲット、マーケット

ターゲット(Target) は、自身(自社)のマーケティング活動でアプローチする対象の人やグループです。これは、自社の商品やサービスが最も適していると考える人たちです。ターゲットは、自社の商品やサービスを購入することによって、満足する、あるいは問題を解決できる可能性が高い人々です。

マーケット(Market) は、商品やサービスが販売される場所や状況全般を指します。これは、自社の商品やサービスが存在するビジネス環境全体を表します。マーケットには多くの異なるタイプがあり、それぞれ異なる需要や競合状況を持っています。

例えば、自身が自然食品店を経営している場合を考えてみましょう。ターゲットは、健康に興味を持つ人、オーガニック食品を好む人、特別なダイエットを実践している人などです。一方、マーケットは、あなたの店が存在する地域全体や、競合他社が提供する他の食品店を含みます。

マーケティングでは、ターゲット市場(特定のターゲットに焦点を当てた市場セグメント)を特定し、そのターゲット市場に向けて戦略を立てます。これにより、自社の製品やサービスが最も需要が高いであろう顧客に焦点を当て、競争力を高めることができます。

ターゲットは対象者、マーケットはビジネスが行われる場所や状況を表し、マーケティングではこれらの要素をうまく組み合わせて成功を収めるための戦略を立てます。


 

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2.セグメンテーション

セグメンテーションは、広告やマーケティングの戦略において、大きな市場(マーケット)を小さなグループに分割するプロセスです。これにより、異なるニーズや特性を持つ顧客グループに向けた効果的なアプローチを開発できます。

セグメンテーションをすることにより、ビジネスは特定の顧客グループ(セグメント)を特定しやすくなり、ターゲットを絞り込んでいくことが可能になります。例えば、年齢、性別、趣味、購買履歴などに基づいてセグメントを作成できます。そうすると、各セグメントの顧客のニーズや要求事項をより理解できるようになり、それに合わせた製品やサービスを提供できるようになります。

セグメントの方法には、年齢、性別、所得、教育レベル、家族構成などの要素に基づいてセグメントする「デモグラフィックス」や、地理的な要因(済んでいる場所や地域)による方法、顧客の購買履歴、購買頻度、製品の使用方法などの行動に基づくもの、顧客のライフスタイル、価値観、興味、好みなど心理的な要因に基づくものなどいろいろあります。

このセグメンテーションは、マーケティング戦略を精緻化し、広告のパーソナライズ、製品の最適化などをするための重要なツールです。顧客は異なるニーズや好みを持っているため、セグメンテーションすることによってより効果的、いわゆる「刺さる」マーケティングが可能になります。

例えば、スポーツウェアメーカーは、年齢層に応じて異なるセグメント向けに製品を提供することで、若年層と中高年層の顧客を効果的にターゲットできます。セグメンテーションは、ビジネスが顧客とより深い関係を築き、競争力を高めるのに役立ちます。


 

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3.ブランディング

製品、サービス、または会社自体に独自性と価値を与えるプロセスです。これにより、顧客はあなたのブランドを認識し、他の選択肢と区別できるようになります。ブランディングは、ロゴやキャッチフレーズだけでなく、ブランドのイメージや文化も含みます。

ブランディングは、ビジネスに多くの利点をもたらします。例えば、顧客はブランドを識別しやすくなり、信頼できるものとして認識しますし、競合他社からの差別化を図り、独自性をアピールすることもできます。また、良いブランディングは、顧客の囲い込み(それしか買わない、買いたくない)を作り出し、リピート購入を促進します。

例えば、Apple社の製品などは非常にうまくブランディンができており、Appleの製品というだけで期待したりそれを使った生活が想像できるようになったりします。ブランディングは、顧客の心に残るブランドを構築するための重要なプロセスです。良いブランディングは、ビジネスの成功に不可欠です。


 

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4.コンバージョン

コンバージョンは、オンラインマーケティングやウェブサイト運営において、特定の目標を達成することを指します。これは、訪問者が望む行動を実行したときに起こります。コンバージョンの性質は、ビジネスやウェブサイトの目標に応じて異なります。

コンバージョンの例

  • 製品購入 : オンラインストアで商品を購入すること。
  • 登録 : ウェブサイトやアプリに新しいアカウントを作成すること。
  • ニュースレター購読 : ウェブサイトのニュースレターに登録すること。
  • 問い合わせフォームの送信 : ウェブサイトの問い合わせフォームを使用して情報をリクエストすること。

コンバージョン率は、訪問者のうち特定の行動を実行した割合を示します。例えば、100人の訪問者がウェブサイトを訪れ、そのうち10人が商品を購入した場合、コンバージョン率は10%です。

コンバージョンはビジネスにおいて非常に重要です。例えば、ウェブサイトの訪問者が商品ページから購入ページに移動し、実際に商品を購入すると、それがコンバージョンとなります。コンバージョンを増やすことは、ビジネスの成長と成功につながるのです。


 

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5.SWOT(スウォット)分析

SWOT分析は、マーケティング活動の前に自社の今の状況を評価・分析し、戦略的なシナリオを立てるのにとても重要です。SWOTは次の要素を表す略語です。

  • S(Strengths) : 自社の強みや利点。内部的なポジティブな要素を指します。
  • W(Weaknesses) : 自社の弱点や不利な要素。内部的なネガティブな要素を指します。
  • O(Opportunities) : 自社が利用できる外部の機会や有利な要素。市場や競合状況に関連します。
  • T(Threats) : 自社に影響を与える外部の脅威や不利な要素。市場変動や競合の存在に関連します。

SWOT分析の目的

SWOT分析の主な目的は、組織やプロジェクトの現状を理解し、戦略的な方向性を見つけ出すことです。具体的な目標や問題に対して、内部および外部の要因を総合的に評価します。

SWOT分析のステップ

  • 情報収集 : 組織の内部と外部に関する情報を収集します。これにはデータ、組織メンバーからのフィードバック、市場調査などが含まれます。
  • 強みと弱みの特定 : 組織の内部要因を分析し、強みと弱みを特定します。例えば、優れた製品品質(強み)や制約のある予算(弱み)など。
  • 機会と脅威の特定 : 組織の外部要因を評価し、機会と脅威を特定します。市場の成長機会(機会)や新しい競合者の参入(脅威)などが考えられます。
  • 戦略の策定 : 強みを活かし、弱みを克服する方法を考え、機会を利用し、脅威に対処する戦略を策定します。

SWOT分析の重要性

SWOT分析は、組織が戦略的に考え、問題解決にアプローチするのに役立ちます。組織は自身の強みを最大限に活用し、弱みを補完し、機会を逃さず、脅威に備えることができます。要するに、SWOT分析はビジネスやプロジェクトにおいて、内外の要因を整理し、戦略的な意思決定を支援するツールです。初心者でも使い始めることができ、組織の成功に寄与します。


 

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6.4P分析

4P分析は、マーケティング戦略を構築し実行するための基本的なツールで、4つの要素からなります。これらの要素は、製品やサービスを市場に導入する際に考慮すべき重要な要素を示します。

  • 製品(Product) : この要素は、製品やサービス自体に関連します。製品の特徴、利点、デザイン、品質、ブランドなどが含まれます。顧客のニーズや要求を満たし、市場に適した製品を提供することが重要です。
  • 価格(Price) : 価格は製品やサービスの価格設定に関連します。適切な価格設定は、顧客の購買意欲や競合他社との競争力に影響を与えます。価格戦略は、利益を最大化し、市場で成功を収めるために重要です。
  • 流通(Place) : 流通は製品やサービスをどのように市場に提供するかに関連します。販売チャネル、流通経路、在庫管理、物流などを含みます。製品が顧客の手元に届けられるプロセスを最適化することが求められます。
  • プロモーション(Promotion) : プロモーションは製品やサービスを宣伝し、顧客に知らせるための戦略を指します。広告、セールスプロモーション、ソーシャルメディアマーケティング、パブリックリレーションズなど、さまざまな手法が使用されます。

4P分析の重要性

4P分析は、マーケティング戦略を構築し実行する際に役立ちます。各要素を検討し、調整することで、製品やサービスを市場に成功裏に導入し、顧客のニーズを満たすことができます。例えば、製品の価格を競争相手に合わせたり、プロモーション戦略を特定のターゲット市場に合わせたりすることで、競争力を維持し、売上を増やすことができます。


 

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7.リード

リードは、マーケティング用語で「見込み客」のことを指します。リードは、マーケティング活動によって製品やサービスに対する興味や関心を示したり、ウェブサイトを訪問したり、資料をダウンロードしたりする行動に現れることがあります。リードは、将来的に顧客になる可能性がある候補者です。マーケティングは、このリードを育成し、顧客に変換するための戦略を立てること、と言い換えることもできます。

リードはマーケティング戦略の中で重要な役割を果たします。リードを獲得し、育成することは、新規顧客の獲得や売上の増加につながります。これはマーケティング活動の中心的な要素であり、潜在的な顧客やビジネスの成長に寄与します。初心者でもリードの概念を理解し、効果的なリード獲得戦略を展開することができます。


 

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8.ナーチャリング

潜在的な顧客(リード)との関係を育て、長期的な関与や信頼を築くプロセスを指します。ナーチャリングは、リードを単なる興味を持つ個人から、顧客に変換するための取り組みを含みます。

ナーチャリングは、リードに対して価値のあるコンテンツを提供することから始まります。例えばCMやネット広告、専用サイト、各種SNS活動、ブログ記事などが含まれます。

ナーチャリングは重要な理由があります。リードとの関係を築くことで、顧客はブランドに対して信頼を持ち、長期的な関与が可能となりますし、ナーチャリングにより、リードを顧客に変換する確率が高まります。

例えば、ソフトウェア企業は無料のトライアルバージョンを提供し、トライアルユーザーに価値ある情報やトラブルシューティングのサポートを提供してナーチャリングを行います。これにより、トライアルユーザーは課金顧客に変換されやすくなります。


 

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9.ROI(Return on Investment)

ROI(Return on Investment)は、マーケティング活動などの投資に対する収益の割合を示す指標です。特定の投資がどれだけ収益を生み出したかを評価するために使用されます。ROIは、ビジネスの効率性や投資の効果を測定し、比較するための重要なツールです。

ROIの計算式は「利益金額÷投資金額×100(%)」です。 ここでいう「利益金額」は売上-売上原価-投資額、つまり粗利(売上総利益)のこと。 マーケティングの文脈では、投資金額をコストや経費と言い換える場合もあります。 利益が投資額よりも小さい場合はROIが100%を切ってしまうのです。

ROIはビジネスの成果を評価するために非常に重要です。高いROIは、効果的な投資やプロジェクトを示し、収益を最大化するための指針となります。逆に、低いROIは、投資の改善や再評価の必要性を示唆します。例えば、マーケティングキャンペーンのROIを分析することで、どのキャンペーンが最も効果的かを判断し、広告予算の配分を最適化することができます。


 

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10.カスタマージャーニー

カスタマージャーニー(Customer Journey)は、顧客が製品やサービスを発見し、購入し、利用する過程全体のことを指します。顧客がブランドや商品との関与を始め、その関与がどのように進化するかを示すマップ、またはストーリーとして表現されます。分析することによってカスタマージャーニーを把握することもありますし、戦略的にこのカスタマージャーニーを作ることもあります。

カスタマージャーニーの要素と流れ

  1. 認識 : 顧客は製品やサービスの存在を初めて知る段階です。通常、広告、ソーシャルメディア、口コミなどから情報を得ます。
  2. 考慮 : 顧客は製品やサービスについて詳細な情報を収集し、選択肢を比較検討します。価格、特長、利点などを検討します。
  3. 決定 : 顧客は最終的な購入決定を下します。購入場所や方法を決定し、実際に購入を行います。
  4. 購入 : 顧客は製品やサービスを購入し、取引が完了します。
  5. 利用 : 購入後、顧客は製品やサービスを実際に利用します。これは製品の効果を実感する段階です。
  6. 忠誠 : 顧客がブランドに対して忠誠心を持ち、リピート購入や口コミでブランドを推薦する段階です。

カスタマージャーニーの理解はビジネスにとって非常に重要です。流れなどを理解することで、顧客の視点からビジネスを捉え、提供する価値を最適化できます。また、流れをしることで購入に至るまでの不要な障壁を取り除くことができます。さらには、カスタマージャーニーを理解することで、適切なタイミングとコンテンツで顧客にアプローチする効果的なマーケティング戦略を構築できます。

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いかがでしたか?

マーケティングの基本用語10選をご紹介しました。もちろん、マーケティング用語には他にもたくさんの言葉がありますが、これらの用語をマスターすることで、マーケティングの世界を少し知ることができると思います。

マーケティングは常に進化し、新しいトレンドやテクノロジーが登場しています。知識を深め、実践する中で、さらなる成長と洞察を得ていきましょう。マーケティングの道のりは挑戦的かもしれませんが、楽しいと感じる方も多いはず。営業より、こっちの方があってるな、という方もいるかもしれません。続けて学び、実践することで、あなたのマーケティングスキルは次第に高まり、きっと成功していくはずです。