デザイン思考を取り入れよう!: 創造性を解き放ち、未来を形作る考え方

2023.11.06

デザイン全般
デザイン思考を取り入れよう!: 創造性を解き放ち、未来を形作る考え方

北海道旭川市のデザイン会社、ドリームクリエイトです。

デザイン思考、という言葉があります。
ビジネスでも普段の行動でも、創造的に進める思考回路のことです。

デザイン思考は、ユーザーや顧客のニーズに焦点を当て、創造的な解決策を生み出すプロセスです。このアプローチは、問題解決とイノベーションのための人間中心の方法論を提供し、個人や組織が新しい価値を創造する手助けとなります。

ビジネスのコンテキストでは、デザイン思考は製品、サービス、プロセスの改善やイノベーションの推進において重要な役割を果たします。例えば、新しい製品の開発プロセスでは、デザイン思考はユーザーのニーズを理解し、それに基づいて解決策を設計する基盤となります。

日常生活においても、デザイン思考は個人がより効果的に問題を解決し、新しい方法で物事を考える能力を育むことができます。家庭やコミュニティにおける課題を解決する際に、デザイン思考のプロセスは新しい視点と解決策を提供します。

デザイン思考のコアは、共感、協力、そして実験です。共感はユーザーの立場から問題を理解することを意味し、協力は異なる背景を持つ人々と連携し、多角的な解決策を探求することを可能にします。そして実験は、プロトタイプを作成し、フィードバックを収集し、改善を行うプロセスを含みます。

このように、デザイン思考はビジネスと日常生活の両方において、より良い解決策を生み出し、持続可能で価値のあるイノベーションを推進する強力なツールとなることができます。


 

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□デザイン思考のための5つのステップ

デザイン思考は、ユーザーのニーズと経験を中心に据えたアプローチを取り入れ、イノベーションと問題解決のプロセスを促進します。このプロセスは、通常5つの主要なステップで構成されています。

1,共感 (Empathize)

共感のステップでは、デザイナーはユーザーの立場を理解し、そのニーズ、課題、および願望を深く探求します。これには、観察、インタビュー、そしてユーザーの環境に没入することが含まれます。共感は、デザイナーがユーザーの体験と感情を真に理解し、問題をより明確に定義する基盤を提供します。

2.定義 (Define)

定義のステップでは、共感のフェーズで収集した情報を分析し、主な問題点を明確に定義します。このステップは、デザイナーが真の問題を特定し、それに対する解決策を探求する方向を設定するためのものです。

3.発想 (Ideate)

発想のステップでは、問題解決のための可能な解決策を幅広く考え出し、創造的なアイデアを生成します。これには、ブレインストーミング、マインドマッピング、そして他のアイデア生成技術が活用されます。このフェーズの目的は、多くの異なるアイデアを出すことで、新しい視点と解決策を探求することです。

4.プロトタイプ作成 (Prototype)

プロトタイプ作成のステップでは、選択されたアイデアを物理的またはデジタルなプロトタイプに変えます。プロトタイプは、アイデアを具現化し、ユーザーにテストしてもらうための実用的なモデルです。

5.テスト (Test)

テストのステップでは、プロトタイプをユーザーに提供し、フィードバックを収集します。ユーザーの反応と意見は、プロトタイプを改善し、さらに発想のフェーズに戻り、新しい解決策を考え出すインプットとなります。

これらのステップは、繰り返しと反復を通じて、持続的かつ効果的な解決策を生み出すためのフレームワークを提供します。デザイン思考は、チームが共同で作業し、ユーザー中心の解決策を考え、実際の問題に対して実用的で革新的な解決策を提供するプロセスを促進します。


 

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□デザイン思考の実際の利用例

デザイン思考のプロセスは多様な分野で広く採用されており、製品開発、サービス改善、そして問題解決の取り組みを加速しています。以下は、デザイン思考がどのように実際に利用されているかの具体的な例です。

・製品開発

Appleはデザイン思考の原則を採用して、ユーザーにとって直感的で使いやすい製品を開発しています。例えば、iPhoneはユーザーセントリックなデザインとシンプルなインターフェースを提供することで、スマートフォン市場で革命を起こしました。

・サービス改善

デザイン思考は、既存のサービスを改善し、顧客の満足度を向上させるためにも使用されます。例えば、航空会社はデザイン思考を利用して、チェックインプロセスを簡素化し、顧客の旅行体験を向上させています。

・問題解決

さまざまな産業分野で、デザイン思考は複雑な問題を解決するための革新的なアプローチを提供しています。例えば、健康ケア分野では、デザイン思考は新しい治療法や患者ケアのモデルを開発するために利用されています。

・社会的課題の解決

デザイン思考は、社会的課題に対する新しい解決策を探求するためにも採用されています。例えば、清潔な水のアクセスを改善するプロジェクトや、教育の機会を拡大するイニシアティブなどでデザイン思考のプロセスが利用されています。

・教育分野

教育分野でもデザイン思考は重要であり、教育者はデザイン思考のプロセスを採用して、学習経験を向上させ、教育プログラムを革新しています。

これらの例は、デザイン思考がどのように多様なコンテキストで革新と問題解決を促進し、実際の価値を提供するかを示しています。デザイン思考のフレキシブルかつユーザーセントリックなアプローチは、新しい解決策を探求し、持続可能で効果的な改善を達成するための強力なツールとなっています。


 

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□企業での取り組み・実例

デザイン思考の実際の利用例について、以下の2つの事例を紹介します。

・GE ヘルスケアの事例

GE ヘルスケアは、小児患者が診断画像処理プロセスに対して不安を感じる問題を解決するためにデザイン思考を採用しました。

GE ヘルスケアのチームは、小児患者が冷たく暗い部屋で長時間の処置を受ける際に泣いていることが多いことに注目しました。子供たちの経験をより深く理解するために、様々な環境で子供たちを観察し、専門家や病院スタッフにインタビューを行いました。その結果、「アドベンチャーシリーズ」というMRIマシンをより子供に優しいデザインにする再設計プロジェクトを立ち上げました。

例えば、「プライベートアドベンチャー(Pirate Adventure)」では、MRIマシンをビーチや砂の城、海の風景を持つ海賊船に変身させました。この取り組みにより、患者満足度は90%向上し、小児患者のスキャン品質も向上し、最終的には顧客の時間とリソースを節約しました​。

・BROWN Oral Bの事例

BROWN Oral Bは、電動歯ブラシをアップグレードする際にデザイン思考を採用しました。

会社としては、電動歯ブラシのブラッシングの頻度を追跡し、歯茎の感度を観察し、音楽を再生するなど、電動歯ブラシの機能を追加することを求めていました。しかしOral Bのデザイナーチームは、多くの人々にとって歯を磨くことは神経質な行動であり、追加の機能はストレスを増加させる可能性があると考えました。

そこで、ユーザーが歯ブラシを簡単に充電できるようにし、ネットに接続してリマインダー通知を送信し、交換ヘッドを注文するのが便利になるように考えました。これらは、企業がビジネスとして展開したいものではなく、ユーザーが望むものに焦点を当てたデザイン思考です。


 

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□デザイン思考のツールとリソース

デザイン思考を実践するためには、多くのツール、リソース、およびトレーニングプログラムが利用可能です。以下にいくつかの例を挙げます。

・ツール

IDEOのデザインキット:IDEOは、デザイン思考のプロセスをサポートするための無料のオンラインリソースを提供しています。このキットは、デザイン思考の基本的なフレームワークとツールを提供し、個人やチームがデザイン思考のプロセスを実践するのに役立ちます。

プロトタイピングツール:Sketch、Adobe XD、およびInVisionなどのプロトタイピングツールを使用して、アイデアを視覚化し、テストすることができます。

・リソース

オンライン学習:Udemy(ユーデミー)などのオンラインプラットフォームで、デザイン思考に関連する多くのコースが提供されています。これらのコースは、デザイン思考の基本から応用まで幅広くカバーしています。

書籍:「デザイン思考の実践」というタイトルの書籍がamazonでも販売されています。その他、デザイン思考に焦点を当てた多くの書籍があります。

・トレーニングプログラム

ワークショップとセミナー:世界中の多くの大学や専門機関が、デザイン思考のワークショップやセミナーを提供しています。これらのプログラムは、デザイン思考の基本的なスキルと知識を獲得するのに役立ちます。

これらのツールやリソースを利用することで、デザイン思考のプロセスを効果的に学び、実践することができます。また、デザイン思考のコミュニティに参加することで、他のデザイン思考の実践者から学ぶことも可能です。


 

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□デザイン思考の利点とチャレンジ

デザイン思考は多くの利点をもたらしますが、実装する際にはいくつかのチャレンジが伴います。しかし、適切なリソースと準備を整えることで、これらのチャレンジを克服し、デザイン思考の利点を最大限に活用することができます。

・利点

ユーザーセントリックな解決策:

デザイン思考はユーザーのニーズと経験を中心に据えているため、よりユーザーにとって魅力的で効果的な解決策を作成することができます。

革新的なアイディアの創出:

デザイン思考は、従来の思考パターンを超えて新しいアイディアを生み出すことを奨励し、創造性と革新性を促進します。

問題解決の効率化:

デザイン思考のプロセスは、問題解決の効率を向上させ、より良い解決策を速やかに見つけることを可能にします。

チームワークとコラボレーションの促進:

デザイン思考は、異なる専門知識を持つ人々とのコラボレーションを奨励し、チームワークを強化します。

・チャレンジ

リソースの必要性:

デザイン思考を効果的に実施するには、時間、労力、および財政リソースが必要です。

文化の変化:

組織がデザイン思考を採用する際には、文化の変化と従業員の買い入りが必要であり、これは挑戦となる可能性があります。

失敗の恐れ:

デザイン思考は失敗を学習の機会と見なしますが、失敗に対する恐れはデザイン思考の実施を妨げる可能性があります。

計測と評価の困難:

デザイン思考のアプローチの効果を計測および評価することは難しい場合があり、これは組織にとってチャレンジとなる可能性があります。

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いかがでしたか?

デザイン思考は、企業ではなくユーザー中心の解決策の創出や革新的なアイディアの発展に大きく寄与し、組織や個人に多くの利点をもたらします。この記事をでは、取り入れ方などを実例をご紹介しました。

デザイン思考を取り入れ、実際のプロジェクトや問題解決にデザイン思考を適用してみてはいかがでしょうか。デザイン思考の学習と実践は、より良い製品やサービスを創造し、持続可能な成果を達成するための強力な手段となるはずです。